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動水勾配についてHYDRAULIC GRADIENT

 ペンギンの監督さん 以前、書いた記事のベルヌーイの定理他というのを、アドバイスを受けようと尊敬する人に見せたら、暫くの沈黙の後 「眠くなった・・・。」といわれかなり凹んでいました。
今回、もう少し書き加えてみようと試みました。
 文章が長くなってかえって分かりづらくなり、本人さえもどうしようもなくなりましたので、図中心で考えました。
例によって、まだ中身のチェックが行き届いておりませんので、注意願います。

動水勾配について

動水勾配を出来るだけ分かり易い言葉であらわしてみます。

動水勾配風イラスト

結局、動水勾配って何?

配管の中を水が通るのに必要なエネルギー(逆に言えば失われるエネルギー=損失エネルギー)を高さ(水頭)に置き換えて計算に使います。
ここでは分かり易く(?)奇妙なイラストにしていますが、別ページのベルヌーイの定理に出てくる点間の水圧(立てた管の高さが表している)を結んだものが動水勾配線で・・・
となるので、ベルヌーイの定理ほかのページも見てください。

動水勾配:I って何?
I=h/Lで、千分率(‰)で表す。
h=I×L×1000

h:損失水頭(m)、I:動水勾配(‰)、L:直管換算長(m)
動水勾配は、I=h/Lであるとおり、長さあたりの管内を水が流れることによって失われるエネルギーのこといわゆる損失水頭のことで、例えば水圧を高さとして表示出来るように損失水頭を高さとして表示したもの

h=I×Lで損失水頭が計算できるというわけ
mあたりの損失水頭だから、mあたりの摩擦損失という言い方もして、kPaで表すこともありますが、(前ページのPa表示とm表示の関係を見てください。)意味的には同じことです。

 管路に従って動水勾配線を書いていくと、エネルギーが距離に比例して下降していき、管路の曲がりや分岐箇所でど〜んとエネルギーが落ちるのが分かるのですが、建築設備では継手類や弁類その他の付属品があまりに多く、管路も分岐などがあり複雑で有るので任意にいろいろな想定をして水量毎や配管毎等に区間を決めて計算をしていきます。

簡単にいうと、高さや角度に関係なくとりあえず管路が存在したら損失水頭が発生することをまず理解しましょう。
 純粋な配管だけの摩擦損失だけでなく、継手やバルブ類も忘れず距離に換算して下さい。概算ならば、直管の何パーセントとかで求めることもありますが、対象となる管路のエルボやチーズ、バルブなどの数を数えて求めることもあります。法令で決まっているときはその通りにします。

他に注意点として、抵抗値の大きいもの(例えばコア継手等)を用いる場合等は直管換算長が当然増えますので注意して下さい。メーカーカタログ等を参考にして下さい。

蛇足ですが・・・建築設備の場合はほとんど意味無いですが、例えばある配管系統があるとして、通常末端の条件の悪いところでOKか?等と計算しますが、管路の途中の任意の場所での例えば・・・圧力水頭をだすことも出来ます。

全水頭=圧力水頭+速度水頭+位置水頭+損失水頭=どこでも一定 ←ベルヌーイの定理
だからです。

水圧は、単位面積あたりに作用する力の大きさのことでありますが、通常のベルヌーイの式みたいに粘性なし理想流体でなら配管を流体が通過することによって起きる摩擦損失を考えなくてよいことになります。 でも実際水が流れていく配管の内面には摩擦がおきエネルギーの損失が起こります。 さらには経年劣化で内面が滑らかで無くなってくることも考えられます。 ここで、具体的な管路の水理計算に使用する公式について書いてみようと思います。

損失水頭の基本式はダルシー・ワイズバッハの式です。
ここでは、損失水頭の基本式であるダルシー式のほか給水管に使用することの多いヘーゼン・ウィリアムスの式とウェストンの式をとりあえず書いてみます。
※法令等で、採用する式が決められている場合が有るので、それに従うことは言うまでもありません。
例えば・・・御承知のとおり、給水装置施工指針では、口径50mm以下はウェストン公式、75mm以上はヘーゼン・ウィリアムス公式によると有ります。
公式を使いやすくアレンジしている式などもたくさん有りますが、ここでは一般的なものを書きました。


ダルシー・ワイズバッハの式

摩擦損失は、
・水路の長さと速度水頭に比例→(距離が長くなったり流速が大きくなると損失水頭も増える)。
・水路断面の大きさに反比例→(配管径が大きくなると損失水頭が小さくなり、配管径が小さくなると損失水頭が増える)。
以上をあらわしている基本中の基本の摩擦損失を算出する場合の大切な式です!

hf=λ(L/D)(v^2/2g)
摩擦損失水頭(m)をhfとすれば、
f:摩擦損失係数 (※摩擦損失係数に採用する数字で計算結果が左右される)
L:直管の長さ(m)
D:管の内径(m)
v:平均流速(m/s)
g:重力の加速度=9.8m/s2

fは無次元量であって、摩擦損失係数または抵抗係数という。

※摩擦損失係数に採用する数値によって損失水頭が変わってくるということです。
まずはダルシー式が、基本式ということを理解して下さい。


ヘーゼン・ウィリアムの公式(一般に、大きな口径の管に用いられる。)

v=0.35464CHD^0.63I^0.54




f:摩擦損失係数
v:平均流速(m/s)
D:管の内径(m)
C:流速係数※管壁の材料によって変わる
I:動水勾配(hf/Lのこと)
L:直管の長さ(m)
Q:流量(m3/s)

※流速係数Cは、管壁面の種類において数値の範囲が決められています。速度係数は文献などでも変わってきますので、採用するときは注意して下さい。
流速係数 C 粗度 管壁面の種類 備考
100 大きい


小さい
新しい管はCの値が小さいが、管が古くなるほど、例えば内部が錆等で水が流れにくくなるほどCの値は大きくなる。
110 屈曲部損失などを含んだ管路全体(新管を使用する設計において)
120
130 直線部のみの場合(新管を使用する設計において)
140

出典:厚労省給水装置データーベースによる
こちらの式では流速係数の採用値で計算結果が変わってきます。


ウェストンの式

(0.0126+(0.01739-0.1087D)/√v
ここで求めた摩擦損失係数をダルシー式に代入すると管の摩擦損失水頭が算出される。
f:摩擦損失係数
v:平均流速(m/s)
D:管の内径(m)

ここでまた動水勾配・・・
ヘーゼンウィリアムスもウェストンも動水勾配Iが損失水頭を求める式の途中で出てきていることに注意して下さい。
損失水頭の式を動水勾配Iに置き換えれば単純に損失水頭(m)は h=I×Lとなっています。
(動水勾配のイメージだけでもつかんでいただければ・・・と思い、このページを書いてみました。)


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